子宮頸がんの予防
HPVワクチン接種勧奨が再開され、
9価のHPVワクチンも接種できるようになりました

 
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸部にHPVが感染し、長い間排除されずに感染したままでいると子宮頸がんが発生すると考えられています。子宮頸がん以外にも、肛門がん、膣がんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。子宮頸がんは、2030代の女性がかかるがんの第1位になっており、年々罹患率や死亡率が増加しています。全国の子宮頸がんによる罹患数は年間約11,000人、死亡数は年間約3,000人と言われています。子宮頸がんは、早期に発見されれば比較的治療しやすいがんですが、進行した場合には治療は難しいとされています。

子宮頸がんの原因となるHPV感染を防ぐHPVワクチンは、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期予防接種(公費負担による無料接種)が行われています。標準接種年齢は13歳になる中学1年生としています。副反応のことが問題となり、積極的な接種勧奨が一時差し控えられていましたが、専門家会議等で安全性について十分に協議・検討され、令和44月より接種勧奨が再開されました。また、令和54月からは新しい9価ワクチンも接種可能になり、1回目が15歳までの接種においては2回接種が可能です。積極的な接種勧奨を差し控えていた期間に定期接種の対象であった平成9年度生まれから平成19年度生まれまでの女子についても公費での無料接種(キャッチアップ接種)の対象になります。ただし、令和44月から令和73月までの3年間の措置となります。

若年化が進む子宮頸がんは、HPVワクチンで予防できる病気です。世界ではHPVワクチンの接種は広く行われ、その有効性や安全性が証明されています。接種後に生じた副反応の診療に係る特定の協力医療機関の体制についても整備されてきています。接種を希望される場合は、医師に相談の上、ワクチンの有効性と安全性について説明を受け、十分に理解した上で受けるようにしてください。

 
 

HPVワクチン接種スケジュール

 
2価ワクチン(サーバリックス):全部で3回、腕の筋肉に注射します。1回目接種から1ヵ月の間隔をおいて2回目接種を行った後、1回目の接種から6ヵ月の間隔をおいて3回目の接種を行います。

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価ワクチン(ガーダシル): 全部で3回、腕の筋肉に注射します。1回目接種から2ヵ月の間隔をおいて2回目接種を行った後、1回目の接種から6ヵ月の間隔をおいて3回目の接種を行います。
 
9価ワクチン(シルガード9): 1回目接種を15歳までに受けた場合は、2回、腕の筋肉に注射します。1回目の接種から6ヵ月の間隔をおいて2回目接種を行います。15歳以降に受ける場合は3回、腕の筋肉に注射します。1回目接種から2ヵ月の間隔をおいて2回目接種を行った後、1回目の接種から6ヵ月の間隔をおいて3回目の接種を行います。

定期予防接種は、各市町村が実施主体となっていますので、お住まいの市町村での実施方法など、詳細については、市町村の予防接種担当課にお問い合わせください。