-てらすアート展とは-
社会福祉の父とも呼ばれる糸賀一雄氏の「この子らを世の光に」と言う言葉より命名いたしました。
毎年「好きなもの・興味あるもの・気になるもの」などをテーマに、出展者の皆さんの溢れる想いを展示いたします。
わたし、ぼくの目から広がる新しい世界をぜひご覧ください。
Contents
01:ご挨拶
02:現地開催のご案内
03:WEB展示会
04:ご協力者さま
05:おぎゃー献金へのご協力のお願い
ご挨拶:第5回てらすアート展開催について
今年は、デュオ神戸での現地開催とWEB展示の併催でみなさまに楽しんでいただきます。
みなさまにおかれては、コロナ禍のために日々困難を感じられることも少なくないと存じますが、
若い作家たちの個性あふれる感性に基ずいた独自の造形や色彩感覚が、きっとみなさまに想像以上の満足感と
清涼感をお届けできるものと確信しています。
ところで、「おぎゃー献金」をご存じでしょうか。もともとは昭和38年に鹿児島の開業産婦人科医が当時十分な公的支援策のなかった
重症心身障がい児に少しでも救いの手をさしのべたいと考え、健康な赤ちゃんを生んだお母さま方と、出産に立ち合った医師や看護師たちが
「愛の献金」をと発案されて始まった運動が今まで継続されているものです。
詳しくは公益財団法人日母おぎゃー献金基金のホームページ http://www.ogyaa.or.jp/ をご覧いただければ幸甚です。
産婦人科医の責務の一つは、生まれてくる子供たちが自身のもつ力を最大限発揮できるようお母さんやご家族とともに支援することにあります。
一方、おぎゃー献金の原型から60年近くを経て、今や「障がい」は個性や多様性の一環としてとらえられるようになっています。
そして、現代社会における生活の基本は、ひとびとがもつ立場、価値観、主張をお互いに尊重しあいながらの暮らしを守ることとされています。
てらすアート展がそのような思いに少しでも近づけるきっかけとなれば、と願っています。
令和4年11月24日

現地開催のご案内(デュオぎゃらりー)

デュオギャラリーへご来場の方へプレゼント
11月24日~29日の開催期間中、デュオぎゃらりーへお越しの方には、ミナペルホネンのハギレを使った世界で1つのしおりをプレゼントいたします。しおりのべースとなるハギレ、紐の色はご自身でお選びいただけます。(お一人1点、数量限定)
デュオぎゃらりー会場
期間:2022年11月24日(木)~29日(火)
WEB展示会
彼らの思い思いの作品を、ぜひご覧ください。
ご協力者さまの紹介
東洋東絵画教室について
●いくみさんとけんたさんが動画の中で作成している作品はデュオぎゃらりー会場(いくみさん)、Web会場(けんたさん)でご覧いただけます。
月に2回の土曜日の朝、青陽東絵画教室には生徒たちや付き添いのお母さんが続々とやってきます。
教室の近くに住む生徒だけではなく、この教室に参加をするために電車に乗ってくる方もたくさん。
教室に準備されているものは画用紙と基本的な絵の具やクレヨンなど、参加費は1回500円です。
生徒たちは好きな席に座って、それぞれが持ってきたコピック(鮮やかな発色の染料インクペン、プロも多く使用)やクレヨン、色鉛筆などの画材を使って自分の好きなテーマでのびのびと作品制作をします。
お母さん達は、子どもの横に座って作品制作をするのを見守ったり、時々お母さん同士でおしゃべりをしたり、のんびり楽しい時間を過ごしています。
先生は基本的には製作途中の生徒たちの作品には口出しはしませんが、(冗談は言います)作品が完成した時や、その日の教室終了の際に生徒たちの作品を見て、「色がきれいだね」「細かく描けてるね」などと作品を褒めてくれます。生徒の一人も『家で絵を描くより、ここでみんなと描く方が楽しい』と嬉しそうに話してくれました。
同じ場所、同じ時間を好きな‘絵‘を通じて共有できる仲間がいる事は嬉しい事ですね。
参加費の500円は教室代やわずかな必要経費にあてられ、貯まった参加費で生徒たちが欲しい画材を購入するシステムだそうです。この生徒たちの楽しみの場がずっと続けば良いなと願います。
※元々青陽東絵画教室は青陽東高等学校(JR灘駅近く)を使って開催されていましたが、現在は工事中のため別の場所で行われています。
東洋東絵画教室について
●いくみさんとけんたさんが動画の中で作成している作品はデュオぎゃらりー会場(いくみさん)、Web会場(けんたさん)でご覧いただけます。
月に2回の土曜日の朝、青陽東絵画教室には生徒たちや付き添いのお母さんが続々とやってきます。
教室の近くに住む生徒だけではなく、この教室に参加をするために電車に乗ってくる方もたくさん。
教室に準備されているものは画用紙と基本的な絵の具やクレヨンなど、参加費は1回500円です。
生徒たちは好きな席に座って、それぞれが持ってきたコピック(鮮やかな発色の染料インクペン、プロも多く使用)やクレヨン、色鉛筆などの画材を使って自分の好きなテーマでのびのびと作品制作をします。
お母さん達は、子どもの横に座って作品制作をするのを見守ったり、時々お母さん同士でおしゃべりをしたり、のんびり楽しい時間を過ごしています。
先生は基本的には製作途中の生徒たちの作品には口出しはしませんが、(冗談は言います)作品が完成した時や、その日の教室終了の際に生徒たちの作品を見て、「色がきれいだね」「細かく描けてるね」などと作品を褒めてくれます。生徒の一人も『家で絵を描くより、ここでみんなと描く方が楽しい』と嬉しそうに話してくれました。
同じ場所、同じ時間を好きな‘絵‘を通じて共有できる仲間がいる事は嬉しい事ですね。
参加費の500円は教室代やわずかな必要経費にあてられ、貯まった参加費で生徒たちが欲しい画材を購入するシステムだそうです。この生徒たちの楽しみの場がずっと続けば良いなと願います。
※元々青陽東絵画教室は青陽東高等学校(JR灘駅近く)を使って開催されていましたが、現在は工事中のため別の場所で行われています。
医療福祉センターきずなより
兵庫県西脇市にあります医療福祉センターきずなでは、2021年度の日母おぎゃー献金補助金を受けて施設内に「天井走行リフト」を購入されました。院内の紹介や「天井走行リフト」が設置された後の様子などをご紹介頂きます。
①医療福祉センターきずなの紹介
医療福祉センターきずなは平成19年4月に開設し、本年4月で15年が経過する重症心身障害児施設で、80床、2療育棟の病院でもある児童福祉施設です。
施設は加西市の北部の中山間地域に位置し、山あいの静かな場所で、春になると朝早くからウグイスの鳴き声が聞こえるとともに、夜になると鹿や猪、きつねも出回る非常に自然豊かな環境にあります。
きずなが行っている事業は、入所、短期入所、リハビリテーション、外来診療で、入所は80床、短期入所は1日8床の指定、外来診療は障害児(知的・肢体不自由・発達障害)が1日平均30人程度となっています。
きずなの理念は、施設名のとおり「絆」を大切に、利用される方々・家族との絆、地域の方々との絆、職員との絆を大切に育むことで、利用される方々が豊かな生活を送られることを目指しています。
何よりも、入所されている皆さんは入退院がありませんから、きずなを自分の家庭として毎日の生活を送られています。施設職員が自宅で生活するのと同じように入所の皆さんにも生活していただけるよう、生活様式を工夫しながら支援しています。
②入所児の方々のご紹介
入所者の内18歳未満のこどもたちは13人で、重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複した非常に重い障害を持っています。人工呼吸器や喉頭分離、気管切開、胃瘻といった医療的ケアを受けながら、医師、看護師、保育士や児童指導員、介護職の職員に見守られ体調管理に気を付けながら毎日を生活しています。
こどもたちの内11人は学童で、平日は毎日、きずなの施設内に設置されている北播磨特別支援学校きずな訪問学級に通っています。朝起床後身支度を整えると、訪問学級の先生方が迎えに来られれます。それぞれバギー等で多目的ホールに行き、音楽や、ゲーム、本読み等を楽しみます。学校から帰るとそれぞれ個別支援計画に沿って伏臥位やストレッチをしたり、タブレットで音楽鑑賞したり散歩をして過ごしています。
また、季節々々に応じた行事、夏祭りや運動会、現在はコロナの関係で外出はできませんが、遠足、外食に行ったり年間を通じて色々と楽しんでいます。
③「天井走行リフト」を使用して
きずなには開設当時居室やホールにリフトを設置していませんでした。しかしながら、こどもたちの大半はベッドに寝たきりの重症心身障害児で、日常生活の営みのための入浴介助、排泄介助、更衣介助、移乗介助が必要で、その度に職員が中腰でこどもたちを抱えねばならず、こどもたちも転落の危険性があるとともに職員は腰に相当の負担が掛かり腰痛者が増えてきました。このためリフトの整備が急務となり、全体計画に基づき整備をすることとし、この度から多額の支援を頂き整備を進めることができました。
これにより職員からは、最初は扱いに時間がかかったが慣れてくると手放せない、翌日の疲れが全然違う、こどもたちも緊張がほぐれる人もいると大変好評です。コロナの関係で運営が大変厳しい中、日母おぎゃー献金基金の支援は本当に感謝しているところです。

神戸市福祉局 障害福祉課より
あなたの見守りが支えになります
『令和3年2月より神戸市営地下鉄・市バス及び民間公共交通事業者からの協力により、車両内等でよく見かけられる障がい特性による行動を題材にした啓発ポスターを掲出しています。一般社団法人神戸市手をつなぐ育成会・神戸市重度心身障害児(者)父母の会からご意見・ご協力をいただき制作しました。
神戸市では、心のバリアフリーの推進のため、市民のバリアフリーに対する意識・理解の向上や、お互い助け合いができる社会づくりを目指しているところでもあります。(神戸市福祉局障害福祉課)』

林 恭子 様
テラスアート展コーディネーター・画家
てらすアート展との出会い
障がい児の為の展示会をしてみませんか?と当初提案された時は、こんな素人の自分に出来るのだろうかと戸惑いながらの出発でした。しかしながら、多くの人に助けられ開催が成功し、今回の開催第5回まで続けることができました。感謝しております。作品制作をされている方々との出会いも含め多くの方々との出会いは、自分にとって宝物となっています。ありがとうございます。
又障がい児の為の展示会。名前はどうしよう?考えた結果、知的障害福祉の父と言われている、糸賀一雄の[この子らを世の光に]という言葉に感銘を受け、てらすアートと命名しました。この子らにではなく、この子らを。という部分に惹かれました。
てらすアート展のロゴマークは友人のイラストレーターにお願いし、色々と話し合った結果、手話で[開かれた]を意味しているデザインになりました。
私は障がい児(者)の障害とはその人それぞれが、抱えている様々な困難を指すと考えています。抱えているその艱難(障害)は、周りの人間や物の接し方や使い方次第で少なくなると想っています。
誰しも年を重ねると障害になりうる物事が増えます。勿論私もです。そんな時に活きやすい世の中になればと願います。
これからも彼らの活動が世の中の光になると信じ、てらされた暖かな世の中になることを願い、影から見守っていきたく想っております。
てらすアート展開催にあたり、ご助力頂きました、皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
泉 美和 様
出展作家・泉 達貴さんのお母様
苦肉の策で始めたことが自己表現の楽しみになった話
苦肉の策で『多動の幼い息子をなんとか5分間座らせるためにやってみたお絵描きへの道』が、今では息子の毎日の楽しみや気分転換になっています。言葉のない息子の感情や興味を、私(母)や周りが知ることのできる手がかりでもあります。
絵を描くことを通して振り返る幼いころ、そして現在の様子を紹介させていただきます。
息子「達貴」は1998年生まれの24歳です。重度の知的障害者です。
1歳で自閉的傾向があると言われ、3歳で療手帳のA判定(重度)となりました。
この頃は眠っている時か抱っこしている時以外は常に動き回っている超多動児でした。
とにかくじっとしていられないので、外食をしなくてはいけない時などは親子ともどもたいへんです。達貴のほかにも二歳違いのお姉ちゃんと達貴の双子の弟がいるので、そちらにも手がかかります。
5分でもいいから着席できるようにするにはどうしたらよいのか、達貴の弟が絵を描くことが好きだったこともあり、達貴もお絵描きお楽しめたらいいのにと思っていました。
しかしながらなかなか親の思惑通りにはいきません。
達貴の好きなキャラクターを私が描く日々でした。私が描いているとちらりと見るくらいの反応です。達貴は、クレヨンを握って色を塗りつけることはありましたが、形あるものにはなりませんでした。
それでも、就学前にいちごらしき絵を描きました。「キャー、これ、いちごやん!」初めて達貴が見てわかるものを描いたのがこのいちごでした。
これからどんどん素敵な絵を描いてくれるかも!と期待は高まりましたが、ほぼグルグルと色を紙に塗る日々でした。
ただ、紙を私に渡して描いて!とアピールすることが増えてきました。
私はせっせと描きましたが、頼んできた本人は気づけばどこかに行っていました。
そんな達貴が今では毎日絵を描いたり工作したりしています。
家にいる時や作業所での休憩時間にも絵を描くことがあります。月2回の絵画教室にも通っています。それぞれの個性に合わせたアドバイスを受けながらも、各自の意志を最大に尊重してもらえる絵画教室です。
達貴は、アンパンマンに出てくるキャラクターを描いていることが多いのですが、今ではオリジナルの絵も増えてきました。作業所での様子だろうなと思われる絵もあります。
「なんだ、これは?」とか「誰?」と思う謎な絵も多くありますが、表情や動きがあって楽しそうな気持ちが溢れている絵も描くようになりました。
会話ができればもっと描いた絵について聞けるのでしょうが、それができないことが残念です。
それでも、これからどんな絵を描いてくれるのか、とても楽しみにしている母です。

片山 操代 様
きらきら書道 主宰
「きらきら書道」と助産院がコラボをしたら
昨年三木市に古民家をリフォームして「助産院&カフェ」がオープンしました。
産後ケアのスペースとおもちゃのあるカフェがあり、私の子育ての頃にも欲しかったと思うようなほっこりとした場です。
好きなコーヒーを飲みに通ううちに、床の間が気になりました。聞いてみると子どもたちが引っ張るので何も飾っていないとのこと。そこで「きらきら書道」で書いた障がい児・者の作品を飾ることを提案、願いが叶いました。
『動』の作品の前で親子でダンスをしたなど、ちょっとした会話が繋がりを生み、喜びにあふれます。障がいのある本人の大きな励みにもなります。
出産には喜びと共に不安や戸惑い、驚きなどがついてきます。私自身の子育てのいろいろな時期、いろいろな思いを心の中で反芻しながら、若いお母さん方を応援せずにはいられません。
障がいと共に今日も生きている人達の、静かなメッセージを書作品が発しているようで、作品にもエールを送り続けています。嬉しい出会いに感謝です。
●きらきら書道について●
「きらきら書道」は障がいのある人もない人も、大人もこどもも自由に「書」を楽しむ場です。
三木市市民活動センターを拠点とし、色々な場で活動をされています。
➡https://youtu.be/H55Kn42UAEw
日母おぎゃー献金基金への献金のお願い
「健康で生まれてほしい」これから誕生する赤ちゃんへ、家族の切なる願いです。
赤ちゃんの「おぎゃー」という泣声とともにこの願いは満たされます。でも、ごくわずかですが遺伝病や心身に障がいのある赤ちゃんがいます。「おぎゃー献金」は、こころと身体に障がいのある子ども達に思いやりの手をさしのべる愛の運動です。
献金は主に日本全国の産婦人科医院・病院などを通して、公益財団法人日母おぎゃー献金基金に集められ、心身障がい児のための施設や心身障がいの予防や療育等に関する研究を補助するために使われています。
お母さま方やそのご家族、また一般の方々からの献金をお待ちしています。
献金方法は献金箱や郵便振替用紙、クレジットカードなどで行うことが出来ます。
詳しくは「献金の方法・しくみ」をご覧ください。
兵庫県産科婦人科学会では(公財)日母おぎゃー献金基金の支援のもとに、障がいを持つこども達の創作活動を応援しています。